資産運用って危険じゃないの?
どうしても初めは、資産運用=危険というイメージを持ってしまう方は少なくありません。
確かに、資産運用には必ずリスクも伴いますが、正しく投資対象を選んだり、投資額にルールを設けたりすることでリスクを減らすことは可能です。
資産運用を始めるべき理由
株式市場は、短期間で見ると大きく下落することはありませんが、10年以上のスパンで見ると、基本的に右肩上がりで推移しています。
それに合わせて、物価も時代に合わせて変化しています。
例えば、現在100万円で超える商品があったとして、それが30年後には200万円になっているかもしれません。
つまり、1,000万円の資産を持っていたとして、銀行に預けているだけだと現在10個買えるものが30年後には5個しか買えなくなるので、価値が半減したということになってしまいます。
このように、投資はリスクがあって危険だという考えがある一方で、ただ銀行預金として資産を眠らせているだけという行為にもリスクがあると考えることができます。
もちろん、可能性としては投資しなかった方が得をするということもありますが、金融市場の考え方では、投資に回した方が得をするという考え方が一般的です。
資産運用の種類
株式投資
株式投資は、証券市場で「株式」を購入し、売買益や配当金によって資産の増加を目指します。
日本国内だけでなく、海外の株式を取引することも可能で、特にアメリカの株式は「米国株」と呼ばれ、人気の投資対象です。
個人が株式を取引するためには、証券会社の口座開設が必要です。証券会社もいくつか選択肢があるので、自分に合ったものを探してみましょう。
投資信託
投資信託は、「ファンド」とも呼ばれ、投資家から資金を集め、それを運用会社が株式や債券などに投資し、運用成果によって投資家に分配されます。
知識がない投資初心者でも、プロに運用を任せることができるので、比較的リスクを抑えることができます。
運用会社に対して手数料を支払う必要があるため、投資信託を選ぶ際は運用実績だけでなく手数料もチェックするようにしましょう。
また、少額からでも投資することが可能なので、投資を勉強するきっかけとして投資信託を始めることもおすすめです。
ETF(上場投資信託)
ETFは、投資信託と同様に運用会社が個人投資家の代わりに資産を運用し、その運用成果によって投資家が利益を得ることができます。
通常の投資信託と異なるのは、証券会社に口座があれば通常の株式のように簡単に取引が可能だという点です。
また運用手数料も投資信託と比べて低い傾向があり、初心者でも手数料を抑えて安定した運用を目指すことが可能です。
日経平均株価やS&P500のような特定の指標と連動を目指すものが多く、1つの銘柄を購入するだけで分散投資を行うことができます。
不動産投資
不動産投資は、土地や建物などの不動産を購入し、賃貸収入や売買益によって資産の増加を目指します。
実際に不動産を売買することになるので、初心者には少しハードルが高く、中上級者向けの投資方法です。
ただ、不動産をメインにした投資信託があったり、最近では「不動産投資クラウドファンディング」というものも登場しているので、それらを使えば比較的少額からでも投資することができ、初心者の方も簡単に投資することができます。
定期預金
定期預金は、あらかじめ期間を決めて、銀行などにお金を預け、金利による資産増加を目指します。
一般的な普通預金と比べると金利が少しだけ高いというメリットはありますが、それでも定期預金の金利もごくわずかなので、株式投資などと比べるとそこまで資産を増やすことはできません。
また、満期前にお金を引き出したい場合は中途解約という扱いになり、受け取れる金利が減ってしまいます。
資産運用の1つの方法ではありますが、他の運用方法を検討した方がいいでしょう。
初心者が注意すべき資産運用方法
FX
FXは、円とドルを交換したり、ドルとユーロを交換したり、通貨と通貨を取引し、為替の変動によって利益を狙う投資方法です。外国為替証拠金取引とも呼ばれます。
よくSNSなどで「FXで安定して稼ぐ!」だったり「FXで短期間にがっつり増やす!」のような投稿を見かけることがありますが、実際はそんな簡単なものではありません。
基本的にFXは初心者が挑戦すると、ほぼ100%の確率で資産を減らすという結果になってしまいます。
ハイリターンを狙うことは可能ですが、それ以上にリスクがとても大きく、これから資産運用を始めるという方は別の運用方法を選択した方がいいと思います。
仮想通貨
仮想通貨は、ビットコインやイーサリアムなどの暗号通貨を取引し、売買益によって利益を狙う投資方法です。
歴史が浅い分、将来像が見えづらかったり、変動幅も大きいためこちらも初心者にはあまりおすすめできません。
初心者におすすめの資産運用
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーとは、AIやプログラムによって投資先を選定し、自動で取引を行ってくれる投資サービスの1つです。
投資信託やETFなど市場の動向や様々なデータから適切なポートフォリオを組んでくれるので、手間をかけずに安定した資産運用を行うことができます。
運用の手数料をロボアドバイザーのサービス提供元に支払う必要はありますが、自動で最適な投資先を選定し、取引してくれることを考えればかなりお得だと思います。
ポイント投資
ポイント投資は、クレジットカードやポイントカードなどのポイントを投資することを言います。
実際にお金を取引する訳ではないので、投資の入門にはかなり適していると思います。
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)
iDeCoは、毎月一定の掛け金を支払い、将来の年金を作るための制度です。
運用商品には投資信託や定期預金、保険商品などがあり、加入者が自分で選択します。
仕事をしているか、会社に属しているか、企業年金があるかないかなどによって、毎月の限度額が異なります。
iDeCoは節税効果が非常に高く、
- 掛け金が所得控除の対象になる
- 運用益が非課税
- 受け取る時は公的年金控除か退職所得控除が受けられる
というように、拠出時、運用時、給付時の3つのタイミングでメリットがあるため、節税効果は非常に高いです。
ただし、年金を作るための制度なので、60歳になるまで引き出すことはできない点には注意が必要です。
資産運用をする上で注意すべきポイント
しっかりとした知識を身に付ける
資産運用を始めるときは、最低限の勉強をして知識を身に付けておくことをおすすめします。
初心者がいきなり
もし知識がない状態でスタートするのであれば、失っても授業料として割り切れる程度の金額に収めておきましょう。
資産運用にも色々と種類がありますが、
少額から始める
まずは少額から始めて、慣れてきたら徐々に資産に対して運用に回す割合を増やしていくようにしましょう。
資産運用は、プロが時間と手間をかけて運用して、年10%の利益が出れば大成功という世界です。
初心者がいきなり多額の資産を運用すると、大きく資産を減らすという結果につながってしまいます。
リスクを抑える
資産運用で最も気をつけなければならないことは、なるべくリスクを抑えるという点です。
資産を増やすことを目指して資産運用を行うのに、リスクが高い投資をして資産が大幅に減ってしまっては元も子もありません。
株式投資よりも、投資信託やETF、ロボアドバイザーなどの方がリスクを減らすことができるので、これから始める方はそちらがおすすめです。
分散投資を心がける
特定の投資先に資産を集中させてしまうと、万が一投資対象の価格が下落してしまった場合に、取り返しがつかない損失を生み出してしまう可能性があります。
特に株式投資などはそれが顕著で、株式市場全体では右肩上がりでも、決算発表などで特定の銘柄は暴落するということが日常的に起こっています。
初心者が分散投資を簡単に行うためには、インデックス投資や投資信託、ロボアドバイザーなどを選択することがおすすめです。
長期運用を意識する
資産運用というものは、基本的に長い期間をかけてコツコツと増やしていくことが一般的です。
短期的に大きなリターンを得ようとすると、それだけリスクも高くなってしまうので、大切な資産を一気に失う可能性が高くなってしまいます。
資産運用は長い年月をかけた方が成功する可能性が高くなると言われているので、初心者の方は特に長期運用を意識して取り組むことがおすすめです。